ピアス肉芽とは、軟骨ピアスやへそピアス、時には耳たぶにも発生する「デキモノ」のことです。
注意して頂きたいのが
ということ。
じゃあどうすればいいの!?という肉芽の対策について、肉芽の原因とともにお伝えします。
ピアス肉芽とは

写真のイラストは少し大げさですが、このようにピアス周囲にできるデキモノは全て肉芽(にくげ・にくが)と呼ばれます。
医学的な「肉芽」より、すこし大雑把に認識されているようです。
実はピアス肉芽には、いくつか種類があります。
詳しくは、こちら↓もご参照ください。
ピアス肉芽の種類は色々ですが、安全に行える対処法は共通しています。
肉芽の特徴
- ぽこっとしたデキモノができる
- 痛みの有無は人それぞれ
- 色は赤~肌色、黒などいろいろ
- 一緒に腫れを生じることもある
肉芽の原因
ピアス肉芽の主な原因は、ピアスホールの周辺組織が何らかの異物(ピアスやバイキン)に反応して、細胞が過剰に増えるためです。

これから、原因を取り除いて「安全に」ピアス肉芽に対応する方法についてお伝えしていきます(*^-^*)
肉芽を治す簡単な対策

最短はピアスを外す事
肉芽の原因のひとつはピアスの負担。
つまり、手っ取り早いのはピアスを外してほっとくことです。

でも、ピアスホールを閉じるのは嫌ですよね…
ピアスを着けたままできる対応をお伝えしていきます
ピアスを見直す ≪最重要≫
まずは全員ここからスタート!!
肥厚性瘢痕と呼ばれるよく見られる肉芽は過度な力がかかるために起こります。
ケロイドの要因の一つも引っ張られる力だと言われています。

ピアス肉芽の対策のためには、まず「異物」と認識されないようなピアスを選びましょう。
ピアスは
- 小さくする(ただし埋まらない大きさ)
- 軽くする(金属以外や、金属であれば純チタン)
- 短くする(ただし圧迫しない長さ)
- それでもだめなら細くする
ストレート軸であることが前提です!
※場所によってはカーブドバーベルを使いますm(__)m
インダストリアルの場合は、1本ずつに分けてあげることも考えて。
肉芽の治療用ピアスとしてシリコンチューブを使う事が多いですが、使いやすさや値段を考えるとはじめは軽いリテーナーがおすすめです。
負担が原因の場合はこれだけで肉芽が縮んでいきます。
刺激せず、清潔を保つ

特にバイキンを異物と認識している場合に効果があります。
適切な洗浄とケアを行うことは皮膚の状態を良くすることになり、すべてのトラブルの対策になります。
まずはケアの基本を大切にしてください。
感染(化膿)かな?と思ったら、感染対策のページを参照してくださいm(__)m
ホットソーク

根本的な原因を取り除くのではなく、患部を温め血行促進=新陳代謝を促す効果や、塩水で汚れを落とす効果を期待できます。
金属アレルギーには注意が必要ですが、気軽に試せるのがオススメポイント。
方法はとても簡単。
原材料が海水の塩を用意して
- コップやお茶碗に温かいお湯をはり、涙くらいのしょっぱさに塩を溶かす(スプーンにちょっと乗せるぐらい)
- 気持ちいいだけ患部をちゃぽっと浸けたあと、優しくシャワーで洗い流す
たったこれだけ(*^-^*)
詳しくは参考 ホットソークのページをご覧ください♪
今まで紹介した
- ピアスを見直す
- 清潔を保つ
- ホットソーク
の3つの対策は、自宅で安全に行える対処法です。

簡単に行えるのでぜひ試してほしいです。
肉芽によっては外科的な処置が必要なこともありますので、しばらく実践して効果がなければ、形成外科や皮膚科(選び方はこちら)を受診してくださいm(__)m
ここからは、肉芽の性質を見極めて、治療の段階に応じて処置を変えていく必要のある治療について参考までにご紹介します。
肉芽の判断が必要な治療法
軟膏
抗生物質 (ゲンタシン・ドルマイシンなど)
これらの抗生物質軟膏は、何にでも効くとしてかなりピアス愛好者の中で使われてきた軟膏です。
しかし
感染(バイキン)が原因の肉芽で正しく使用できれば効果が期待できますが、ピアスの負担やケロイドのような肉芽では効果がありません。
用法・容量を守って使用することが大切です。
ステロイド(副腎皮質ホルモン)
ステロイドには細胞の力を弱めることで、
- 炎症を起こすこと
- 余分な細胞ができること
を阻止する力があり、病院では注射や張り薬などの治療が行われることが多いです。
市販では塗り薬が発売されています。
過剰肉芽は一般に浮腫状の不良肉芽であることが多く,これを収縮させる目的で副腎皮質ステロイド外用薬を塗布する場合もある.局所感染のリスクがあるため漫然と使用せず,創面の状態が整ったら速やかに中止することが重要である.
創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―1 – 日本皮膚科学会
ただ、ステロイドにはバイキンと戦う力を下げてしまう副作用があるので、感染を起こしやすくする、正常な皮膚ができにくくなるなど悪い効果もあります。(詳しくは薬のページへ)
「タイミング」が難しい治療かと思いす。
信頼できるお医者さんに相談しながら治療を行って頂きたいです。
圧迫療法
このようなグッズを使って肉芽を上から圧迫する治療です。
実際、医療現場でもスポンジや樹脂製の円盤のようなものなどを使って肉芽やケロイドに対して行われている治療法です。
私はよく斜めに空いてしまったホールやCBRを着けて油断して出来た肉芽に対して、ラブレットスタッドで元に戻れ~~~と圧迫して縮めています(^^;
外科的な切除

お薬で治らなかったり、もう手遅れサイズの肉芽やケロイドは外科的に切除されることがあります。
病院では、きちんと細い針で局所の麻酔をして「手術」という形式がとられるとおもいます。
(一部小さなものでは焼くこともあります)
切除する範囲をきちんと見極め、必要最低限でカットしてきちんと縫合、アフターケアを行っていく必要がありますので、自己判断でニードルなどを使った処置は絶対にしないでくださいね(>_<)
クエン酸療法
肉芽表面のタンパク質に化学反応でヤケドさせてカサブタにして除去しようというもの。
クエン酸のほか、わざと傷を作ったり、炙って火傷を負わせて肉芽を縮小させる人もいます。
これらは同じような原理だと言えるでしょう。
経過を報告してあるサイトさんを見ていると、潰瘍化する(つまりどんどん酷くなる)ことも多い、危険な治療です。
オロナインは効くの?
オロナインは消毒軟膏の種類に分類されます。
消毒成分が入っていますが、完全に殺菌できるわけではありませんし、軟膏によるべた付き(汚れの原因)や刺激になるデメリットもあります。
直接的な効果は無いので、むやみな使用は控えるようにしてくださいね。
潰すことで治せる?
肉芽を「潰す」ことが、治癒の助けになることはありません。
画像のような血豆に似た肉芽を潰してしまう人が多いですが、これは血豆ではなく毛細血管の塊のようなもので、潰しても潰しきれず、再発や悪化を招きます…
肉芽ではなく、膿瘍の場合は中から膿が出てきて楽になったり、良くなったように感じるかもしれませんが根本的な解決ではありません。
治りが非常に悪い肉芽は外科的に切除されることもありますが、潰すのとは全く異なります。処置はきちんと形成外科や皮膚科などの医師に行ってもらいましょう。
自己判断では悪化の原因となってしまいます。
さいごに
いかがでしたか?
肉芽=クエン酸、肉芽=ドルマイシンと気軽に考えず、きちんと原因を理解して体に合わせた対処法をとってあげてくださいね(^^♪
- ピアスの軸が長すぎる
- ナナメにささっている
- CBRやフープを着けている
- 飾り・素材が重たい
- 耳に合わないピアスをしている
- 傷つけたまま放置した
- 無理な拡張をした
ピアスの選び方についてはこちらも参考にしてください
もちろん、
- 治らない・・・
- どうしていいかわからない・・・
- もう専門家に任せよう!
という場合は病院へ!
専門は形成外科(整形じゃないですよ!)、皮膚科でも炎症や簡単な治療はできますが、専門的な外科治療になると先生に相談してみてくださいね。