ピアスホール【穴あけ→安定→完成】ってどうなってる?|看護師が解説・ピアスケア | ピアスケアの理由

ピアスホールの安定・完成まで

ピアスホールができるまで。 ピアスを開ける時

「ピアスホールは傷です」なんてよく言われます、私もよく言います(^^;

でも、ただの傷よりもっともっと厄介なのです。

このページでは、ピアスホールが傷から穴になるまで

つまり、生傷→安定→完成するまでの細胞たちのお話をしながら、

  • 消毒がなぜダメなのか
  • 肉芽ってそもそも何なのか?
  • 浸出液ってなに?
  • なぜファーストピアスを着けないといけないの?
  • 安定・完成までの期間は?

といった、色々な理由を説明していきます♪

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耳の皮膚とお肉

耳の皮膚の下ってどうなってるの?

耳たぶのお話を例にします。
耳たぶの断面をざっくり説明します(/・ω・)/

ピアスを開けたときの耳の断面

皮下組織(脂肪とかの「お肉」)が、「皮膚」に挟まれているイメージです。

外側の「表皮」には血管はありませんが、「真皮」には血管などが張り巡らされています( ..)φ

そこにズドーンとピアスを貫通させるのが「ピアッシング」です

0 ピアッシング直後

とにかく血を止める期間

切れた血管から出血しますので、大慌てで止血が始まります。

血を止める成分(血小板)などが止血作業をします。同時に「傷を治す指令を出す成分」(ニコちゃん=サイトカイン)が発生します。

実はこのニコちゃん、消毒で死んでしまうんです。

参考 消毒がなぜダメなのか、消毒をするべき時は?

切れた血管を血小板が塞ぎ、そこから「サイトカイン」という成分(ニコちゃん)が発生。

またこのとき、傷の大きさにピッタリのピアスを装着していることが「圧迫止血」にもなります。
ニードルでサイズ違いのピアスを入れたら出血しやすいのも、ピアッサーだと出血しにくいのも、この圧迫止血の関係が大きいです。

 

1 数日間:炎症と異物の除去中

腫れるけど治るための時期

先程のイラストには描きませんでしたが、傷の表面にはピアッシングで死んでしまった細胞やバイキンなどの「老廃物」や「細菌」が溜まっています。

これでは、傷が治るのに邪魔になるので「老廃物を食べてくれる細胞(緑のパックマン=白血球など)」が登場するのですが、この子が血管から出入りできるように血管が膨れ上がり、一緒に「浸出液」と呼ばれる体液が細胞の中に溢れて出てきます。

薄々お気づきでしょうか?

このパックマンも、消毒で動きが鈍くなるんです(゚д゚lll)!

 

ニコちゃんによって、パックマン(白血球)が集合する。その時、白血球が出てきやすいように、血管が太くなる。

膨れ上がった血管で見た目は赤くなり、溢れた体液で腫れて見えます。また、この時に痛みや痒みを感じる物質も出てしまいます。

通常、数日あれば落ち着くはずですが、ピアスを触って刺激を与えたり、感染を起こしたり、冷やしすぎて血管が広がらない・・・などの原因で期間が長くなることがあります。

ホットソークは血管を広げる作用を助ける働きがありますが、炎症中に積極的に行う必要はないとされていますm(__)m

浸出液は、サイトカインやタンパクなど、傷を治すための成分が沢山はいっているので、「体液は汚い」と思わず適度に傷に残るのがベストです(`・ω・´)b

2 数日~1か月:細胞が増殖中

じっとファーストピアスの時期

傷口がきれいになると、本来はピアスの金属さえなければ、肉芽がくっつきあって傷を閉じるのですが、今回金属という異物に邪魔をされています。

仕方なく、ニコちゃんの指令により「肉芽組織の壁」(赤い細胞)を作って異物を囲いだそうとします。

血管が豊富できれいなピンクや赤色です。

ニコちゃんの指令で肉芽(ピンクで良い肉芽)が穴の周りに増殖していく

えっ!肉芽!?」とピアス好きの方は思うかもしれませんが、本来の肉芽は良い奴なんです・・・。

この動きが過度に行われることで、ピアスで悪者にされる「邪魔な肉芽」が発達してしまうんです(´・ω・`)

参考 悪い肉芽のお話はコッチです

肉芽がないと治癒は進みません。

ちなみにこの肉芽も、消毒によりダメージを食らいます・・・。

摩擦と圧迫にも弱いので、回すとか、ピアスを替えるとか、絶対NGです。

一方、「表皮(皮膚の一番外側)」も伸びるように傷を囲んでいきます。​

 

3 数週間~数ヶ月:細胞が皮膚へ成熟

「安定」と呼ばれる時期

その名の通り「肉の芽」の肉芽さん。

コラーゲンなど色々な組織へ置き換わって、皮膚の基礎の役割をします。

ピアスの細胞増殖期、肉芽は変化していき、それを足場に皮膚が伸びていく。

肉芽の壁を伝って、皮膚がどんどん伸びていきます。

皮膚が伸びるためにはこの「肉芽の壁」が大切なので、こすったり、消毒したりせず、安静にそっと育ててあげることが大切なのです(*^-^*)

この作業の終盤には、いよいよセカンドピアスに交換することができます☆

参考 セカンドピアスの選び方

 

4 数ヶ月~1年:しっかりした皮膚へ

安定が続き、完成!と言える時期

表皮が伸びてきたものと、皮膚に置き換わりつつある肉芽は、まだまだ弱い赤ちゃんの皮膚のようなもの。(もっと弱いかも)

新陳代謝を繰り返して強くなっていきます。

 

肉芽の部分は創収縮と言って、表面の皮膚が収縮していき、周囲の皮膚をひっぱります。
これにより穴は窪んだように見えてくるのです。
ピアス安定の目安「穴が窪んでいる」の理由ですね。

また、皮膚の足場にされた肉芽は「瘢痕組織」という硬い組織に変わります。

これを「変なしこり」と勘違いする人が多いですが、自然な反応なので、受け入れてあげてください(^^;

瘢痕組織は、ある程度は元に戻りますが、完全には復旧しません

 

異常なほど大きなしこり」は、感染やケロイドなどの可能性があるので

参考 デキモノ?の見分け方

ページを参照してくださいm(__)m

さいごに

いかがでしたか??
傷の治りを知ることで、今のピアスホールの状態を把握して、適切なケアをしてあげてください(´▽`)
人によって期間に差はありますが、突然皮膚が出来る人はいません
​ファーストピアスが大切な理由セカンドピアスも大切な理由。分かって頂けたら嬉しいです

マニアックなまとめ(自分用)

炎症の4(5)兆候
発赤・腫脹・熱感・疼痛・(機能障害)

0 止血期(出血凝固期) 受傷直後
●組織の損傷→プロスタグランジン・ブラジキニン(肥満細胞を刺激→ヒスタミン)の生成→疼痛
●血管の破綻
 血小板活性因子:血小板の集結→サイトカインの生成、またセロトニンの分泌→血管収縮
 血管内皮細胞:エンドセリンの分泌→血管収縮

1 炎症期 受傷~1週間
●血管浸透圧亢進
ブラジキニン・ヒスタミン→血管の拡張→発赤・熱感
血漿成分の浸出→腫脹
血管内の粘性増加→白血球の遊出と遊走
(白血球:好中球が細菌や不要組織を回収、アポトーシス→マクロファージが貪食→アポトーシス、リンパ管へ回収:創の清浄化)
更なるサイトカインの生成

2 増殖期 3日~2・3週間
●表皮の上皮化(創端付近2~3cm、表皮では全体、真皮では毛嚢)(受傷直後~)
表皮基底層:ケラチノサイト(角化細胞)の発生→創表面の閉鎖
(ターンオーバー:2週間で基底層から角質層へ、2週間かけて剥がれる)
●真皮・皮下組織における肉芽組織の形成
サイトカインPDGF→繊維芽細胞:創部に遊走
サイトカインTGF-βが生成→繊維芽細胞が増殖→細胞外基質の合成→コラーゲンに置換(肉芽形成)
●真皮・皮下組織における新生血管の形成
サイトカインFGF、VEGF→血管内皮細胞:創部に遊走しコラーゲンの構造内に毛細血管を形成(良性肉芽の形成)

3 成熟期(再構築期) 2・3週~数ヶ月
●肉芽組織の置換
サイトカインTGF-β​→コラーゲンの再建(リモデリング)→瘢痕組織の成熟
●創収縮
消毒→サイトカイン、白血球の障害
乾燥→白血球の働きが制限
肉芽組織は乾燥、物理的刺激に弱い→湿潤環境・安静・減圧

参考元

 


創傷治癒過程における炎症期の重要性 – 高岡駅南クリニック-高岡市医師 
創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―1 – 日本皮膚科学会
創傷の治癒過程

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